富士山の醍醐味は1合目から登ること!
歴史ある吉田登山道には、まだまだたくさんの自然があります。
木々の匂いはどんな香水にも勝るほど。
富士山上級者の方にもオススメのコースです。
![]() 中の茶屋 |
江戸時代より栄えた富士吉田登山道。 大阪には八百八橋、江戸には八百八講と云われた程、富士講が栄え、麓の富士吉田には 杉・檜に囲まれた北口本宮富士浅間神社が存在しここを始点に富士吉田口登山道の始まりです。 神社を出発し、約1時間程で最初の茶店、中の茶屋があります。 中の茶屋は浅間神社から馬返しまでの中間点に位置しているので中の茶屋と言われております。 かつて草原に松が散在し景色が良く富士山神々が遊びにくる場所として「遊境」と呼ばれていました。 ここには富士講の人が登山した回数を記した記念碑がたくさんあります。 中の茶屋を過ぎ、そこからさらに1時間余り歩くと馬返しに到着。 馬返しとはここから先は馬も登れない急登となり、昔は馬を乗って来た人は そこで馬を返さなければならなかったので、馬返しという名前になったそうです。 そこから観る富士山は驚くほど大きく聳え立っています。馬返しからは富士山の肌に触れながらの森林浴の世界 馬返しから六合目星観荘まで山頂も下界も見えません。 |
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![]() クルマユリ |
ふと登山道の周りを見回すと、いろいろな高山植物を見ることができます。 6月中旬〜7月初旬には、ダケカンバ・唐松の新緑、6月下旬〜7月下旬には郡落する 石楠花(シャクナゲ)・名月草の開花7月下旬〜8月下旬には、六合目以上に自生するくるまユリ 9月上旬からは一足速い秋の訪れ紅葉の始まりと 富士登山道はあなたを飽きさせることなくお待ちしています。 森林浴をしながら登山道を歩いていると富士山一合目が見えてきます。 |
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一合目には鈴原神社があります。 ここは、戦国の頃まで富士山の信仰は大日如来を中心とする仏教信仰が主流であったため 大日如来を祀る大日堂がありましたが、後にこの鈴原神社になりました。 |
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二合目には、御室浅間神社(おむろせんげんじんじゃ)があります。 この神社は富士山内で最も古い神社といわれています。 本殿は重要文化財に指定されていますが、保存のため現在は勝山村の浅間神社に移されています。 |
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三合目は、三軒茶屋戸も呼ばれていますが、茶屋は二軒ありました。 道了・秋葉・飯網の三神を合祀した三社宮が祀られております。 |
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4合五勺には御座石浅間神社(ございしせんげんじんじゃ)という神社があり、御座石の上に浅間神社が祀られています。 そこの小屋を御座石小屋、井上小屋といいます。 小屋の右側は神社でその背後の岩盤には富士講の石造物が造立されています。 登山道をさらに登ると、やっと富士山の中腹五合目(標高2,305m)に到着です。 富士山中腹を一周するお中道巡りは大沢崩までぐるりと眼下の眺望が楽しめます。比較的穏やかな道が続きます。 |
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天地の境といわれた五合目。ここ五合目にある小御嶽神社は磐長姫命(いわながひめ)を祭神とし、天狗が祀られています。 磐長姫命は寿命の神なので、寿命のお守りがあります。 7月1日の山開きには大天狗・小天狗が大きな斧で鳥居の注連縄を切る神事があり、富士山形の神輿が六合目まで巡行します。 五合目から20分歩くと当館、星観荘のある六合目(標高2,325m)に到着です。 |
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五合目ロータリーからの登山道→泉が滝→吉田口登山道六合目入り口→星観荘 | |||
![]() 六角堂 |
六合目には、安全指導センターもあり、ここで富士山登山の心得や解らない事が聞けます。 当館の周りには石楠花(シャクナゲ)というピンクの花が咲き乱れていて まるで星観荘にお泊りのお客様を歓迎しているようにも見えます。 ここから先はジグザグの登山道が始まります。 手前にある登山道の南側の岩稜を経ヶ岳といい、日蓮聖人が法華経を埋納した八角堂の常唱殿があります。 ここまで来るとだんだん木々の姿も見えなくなってきます。 六合目から一時間くらい登ると七合目(標高2,700m)が見えてきます。 |
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ここら辺はまだまだジグザグな登山道が続き、八合目まではかなり険しい道ですが 山小屋が続くので山小屋で休憩しながら登ることができます。 また、突然お体の調子がおかしくなった登山者は鎌岩館に救護所がありますので安心して登山できます。 |
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![]() 七合目あたりから見た小屋の明かり |
七合目はかつて七合三勺の駒ケ岳に太子堂がありました。 富士吉田市新倉の浄土真宗如来寺持ちで、太子室といいました。 聖徳太子が黒駒に乗って馬をとどめた地だといわれ、聖徳太子の絵像を祀っていました。 七合目からさらに1時間30分くらい登ると八合目(標高3,020m)が見えてきます。 ここまで来ると植物の姿が見えなくなり、山肌が植物から溶岩に変わるのがわかります。 |
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![]() 八合目からの山小屋 |
八合目は非常に範囲が広く道も険しいため疲労がピークに達します。 山小屋を目安にこまめに休みながら登るといいです。 本八合目は大行合(おおゆきあい)といい 吉田口と須走口の出会うところです。ここで静岡県小山町と地籍を接します。 この地は暮雲が日色を覆って、亥の刻(午後10時)頃まで散らないので夜も比較的暗くありません。 八合目からさらに1時間30分くらい登ると九合目が見えてきます。 |
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![]() 噴火口 |
九合目は、一歩ずつあえぎながら登る場所で胸突八丁ともいわれます。 頂上はすぐそばなのに、なかなか頂上に辿り着くことが出来ないところです。 九合目からさらに1時間ほどで、やっと富士山頂上(標高3,776m)です。 鳥居御橋の鳥居をくぐれば富士山制覇です。何故か頂上に着くと俗世界から別世界に変わり不思議な感動が味わえます。 北口頂上を久須志ヶ岳と呼んでいます。 久須志神社は浅間大社管掌する神社で夏山期には浅間大社の神職が詰めています。 |
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![]() 八合五勺からの御来光 |
![]() ![]() ついに頂上へ到達!御来光を拝めました。 |
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さぁ!富士山頂に着いて一休みしたところでお鉢めぐりをしましょう。 お鉢めぐりとは、富士山の山頂部分(お鉢またはお釜と呼ばれる)の噴火口を見ながら時計回りに一周することです。 火口の直径は約600mで、歩行距離は約3kmです。山頂には3,776mの剣ヶ峰をはじめ雷ヶ岩、白山岳、久須視ヶ岳、大日岳、伊豆岳、成就ヶ岳、三島岳の8つのピークがあります。 この8つの峰を「八葉蓮華」(釈迦が座るハス)に例えて「お八葉めぐり」と呼ばれたといわれています。 その後、富士山の形が鉢のようなので、「お鉢めぐり」となったといわれています。 |
ここへ掲載した素晴らしい写真は当館へご宿泊されたにゃん太さんが撮影されたものです