こんにちは。富士山の山小屋、里見平★星観荘のスタッフです。
今回は、富士登山におけるルールやマナー、登山の心得を当館管理人のゴマさんとご紹介していきたいと思います。
里見平★星観荘は富士山六合目の山小屋です。吉田口の登山コースで登山の際は、ぜひ里見平★星観荘をご利用ください。皆様からのご予約をお待ちしております。
ゴマさん、よろしくお願いします。
よろしくだニャー。いつもは麓の連絡事務所にいるニャ。
富士山には様々なルールやマナーがあります。ここでのお話は富士山に限った話ではなく、どの山にも共通して言えることがほとんどです。
富士山は日本の象徴的な文化の一つで、今や世界中から人が訪れる観光名所となりました。
一昔前までは上級登山者と信仰の修行で訪れる方がほとんどでしたが、今はある種のテーマパーク状態でオーバーツーリズムによる弊害が問題視されています。
富士山が後世に渡って語り継がれる存在でいられるよう、富士山に「入らせていただく」という気持ちで富士登山に臨みましょう。
富士山って言えば山岳信仰の象徴的な山ですし。最近は色んな意味で賑やかになっちゃってるんですね。
その通りニャ!神様の敷地に入らせてもらうニャ。人様の家で大騒ぎしない、散らかさないのと同じだニャ!
ここからの内容は、どの山小屋、どの登山道にも共通します。山小屋スタッフ、登山道の案内人に「怒られなければいいや」なんて考えは持たず、富士山にいる者同士、尊重を忘れずに気持ちの良い富士登山にしましょう!
登山中のルール・マナー
- ゴミをポイ捨てしない、自分で持ち帰る
- 前の人を無理に抜かさない
- 登山道を外れて歩かない
- 落石を起こした、発見した場合は大声で周囲に知らせる
- トイレで睡眠、立てこもり禁止
- ドローン禁止
- 動物、植物の採取禁止
- 溶岩や石の持ち帰り禁止
- テント設営や焚火禁止
富士山と山麓の大部分は、富士箱根伊豆国立公園(昭和11年)、世界文化遺産(平成25年)、特別名勝(昭和27年)及び史跡(平成23年)に指定されています。特に、五合目より上は国立公園特別保護地区に指定され、自然保護のため厳しい規制がかけられています。
詳細は富士登山オフィシャルサイトをご覧ください。
山小屋での過ごし方・禁止事項
- 走らない、騒がない
- 寝ている人がいます。休憩は高山病を防ぐために重要です。
- いびきの自覚がある人は対策をしましょう
- 周りの人はあなたのいびきで眠れなかったら、高山病リスクが高まります。
- 食事が終わったら席を立つ、いつまでもゴロゴロしない
- 食事の順番を待っている人がいます。ゴロゴロは自分の就寝スペースで好きなだけ。
- ゴミは持ち帰る
- そもそもゴミになるものを持ってこない(酒瓶、コンビニ弁当等)。
- トイレを長時間占領しない
- 次に利用したい人が扉の向こうで待っています。
- お会計は都度、先払い
- トイレチップを払ってからトイレを利用する
- 富士山には上下水道がないので、お手洗いの利用は有料です(し尿処理の業者に支払います)
- 館内に入る前に服、靴の砂ぼこりを落とす
「自分がされて嫌なことはしない」が基本だニャ~!
山小屋では静かに過ごして、回復に努めるのがオススメだニャ。
館内でも堂々とゴミを放置していく人、ごく稀にいますよね。そもそもゴミになるものは持ってこない、持ってきたら持ち帰る。基本的には食料などは山小屋で買うのが富士登山の基本です!
当館でご購入いただいたもののゴミは貰いますのでご安心ください。
ときたま「持ってきたゴミをもらってほしい」や「ゴミを買い取ってほしい」とリクエストされることがありますが、お断りさせてください。
当館がそのようなサービスを始めたとして、他の小屋で「星観荘はゴミもらってくれたのになんでこの小屋は貰ってくれないの!?この山小屋はわざと断ったんだ。じゃあ小屋や登山道に捨てていけばいいや~」なんてことになってゴミが散乱したりトラブルになるのが目に見えています。
山には山のルールがあります。郷に入ればなんちゃらです。
事前に知っておいてほしい富士登山の常識
富士山にゴミ箱が置かれていない事、富士山には上下水道がない事をこの記事で初めて知った方もいらっしゃるかと思います。
富士登山を決めたら、装備の支度と合わせて登山マナーの勉強をしてから準備をはじめましょう。
登山ビギナーさんは、富士山と都市部では全く環境が違うことに驚かれることでしょう。水が有料とか、トイレが有料とか、連続でお手洗いを使用すると詰まるとか。標高が高いのでお米も普通に炊けません。各売店と各山小屋がこれまでの経験から創意工夫を凝らしてお米を炊いています。
山はそういう場所なのです。人が住むところではないので、インフラが整備されていないのです。
当館であったちょっと困ったエピソード
最後に当館であったちょっとスタッフも怖かったエピソードをご紹介します。
エピソード1
夜間、館内の宿泊エリアに忍び込んで勝手に就寝してた登山者の方がいたニャ。山小屋は無料の休憩所ではないニャ。
普通に不法侵入(建造物侵入罪)にですね。富士登山以前の話ですが、ホテルで受付もせずに勝手に部屋で寝てるのと一緒ですね。
エピソード2
深夜、ロビーにスタッフが行ったら、小屋にあるバーナーを手にし、火をボーボーに点けて焼印のやり方を聞いてきた通りすがりの登山者の方もいたニャ。
火事になったらどうしてくれるのー!絶対に焼印は勝手にやらないでください。あと、21時以降は焼印やってません。ご希望の方は時間にご注意を。
エピソード3
早朝、スタッフが離席した隙に厨房に入って、勝手に電子レンジを使ってた人。しかもコンビニのお弁当。そのゴミをちゃんと持ち帰ってくれたかも心配ニャ
電子レンジくらいって思う人もいるかもしれませんが、先でも紹介した通り、富士山にはインフラはありません。電気なども自家発電だったり、トイレの維持にも結構な費用がかかっていることをご理解いただきたいです。
富士山には無料サービスはありません。何かご購入いただければ電子レンジをお貸しします。
エピソード4
階段、手すり、食堂など公共スペース中に自分の濡れた服、タオル、傘を干しまっくた人。
山小屋はホテルではないのでランドリールームはございません。乾かすなら自分のスペースでお願いします。共有スペースの階段や手摺で干すことで、上の階に上がれない人も出てしまいます。
山には防水素材の装備&濡れたものを入れる袋をお持ちになってください。防水素材以外の装備で雨に打たれると、体が冷えるし重くなるしで苦労します。
あと、直接言えないけど汗臭&生乾き臭で臭いも結構気になるんですよ、、、(小声)
まとめ
富士山は行政と山小屋組合が共同してより良い富士登山の環境づくりに努めています。登山者の皆様もルール・マナーを守っていただくようお願い申し上げます。「異文化コミュニケーション」だと思って、富士登山を楽しんでください。
富士山の登山で山小屋をお探しならぜひ、里見平★星観荘をご利用ください。
皆様からのご予約をお待ちしております。